セメレー


セメレー
~酒神ディオニュソスのルーツ~
(ギリシア神話)

自身のストーリーだけを語ると

「主神ゼウスの愛人で、
ゼウスの正妻ヘラに欺かれ、
ゼウスの雷光で焼け死んだ人間」

となってしまうセメレー。


テーバイの建設者カドモス王の娘セメレー。彼女のもとへ、夜な夜な人間の姿で通うゼウス(ギリシア神話最高神・天空の神)。その噂を聞きつけたゼウスの正妻ヘラ(ギリシア神話最高女神・結婚と子供、女性の性生活の守護神)は、セメレーに嫉妬します。(参考:ゼウスには、神・人間問わず愛人が数多くいます。ヘラの、ゼウスの浮気相手への嫉妬・報復も数多くあります。)
ヘラは、セメレーの乳母に変身し「夜な夜な通う男は、ゼウス様の偽物ではないでしょうか?本物の証拠として、ゼウス様の本当の姿を見せていただきなさい。」とセメレーに吹き込みます。
その夜、早速セメレーは、ゼウスに願いを叶えてほしいと頼みます。「お前の願いは何でも叶えてやろう。」そういうゼウスにセメレーは、願いを伝えます。「オリュンポス(神の園)でのお姿を、あなたの本当のお姿を見たいのです。」
ゼウスは、雷光を従えた天空の神です。そのため、本来の神としての姿は、人間が耐えうるようなものではありません。しかし、何でも叶えてやると約束した以上断ることができませんでした。(ヘラの思惑通り)セメレーは、ゼウスの雷光に焼かれて死んでしまいました。

Sebastiano Ricci (1659–1734) [Giove e Semele(ゼウスとセメレー)] (1695)

Peter Paul Rubens (1577–1640) [Death of Semele]

*ゼウスに見初められた美しい女性
*正妻の報復を受けて、焼け死んだ女性

ストーリーを読んだだけでは、セメレーが何の働きを担っているのか、今一つ見えてきません。
話には、続きがあります。

セメレーは、実は身ごもっていました。ゼウスは、セメレーの体から6か月の胎児を取り上げ、自身の太腿に縫い付けて育てます。そうして産まれたのが、ディオニュソス※1です。


William Adolphe Bouguereau(1825-1905)[The Youth of Bacchus(バッカスの幼年時代) ](1884)

※1 ディオニュソス(バッコス・バッカスとも言う)は、ギリシア神話では、葡萄の栽培とともに主として酒の神として知られています。オリュンポス12神(ギリシア神話の主要神)の1柱です。
ギリシア外来の神で、元々は小アジアの自然の生産力の表象・豊穣神でした。ディオニュソスの信仰は、合唱や舞踊だけでなく、狂乱を伴う儀式を有し、女性の熱狂的な崇拝を受けました。「女たちはこの神によって狂気のごとくになり、家を捨てて山野をさまよい炬火やテュルソス(杖を蔦で巻き、頭に松露をつけたもの)を振り回しつつ乱舞し、野獣を(神話では赤児さえ)とらえて、八つ裂にして、生のままくらった。」(高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店151ページディオニューソスの項より引用)
葡萄の栽培法・葡萄酒の製造法とともに「酒」の持つ「狂気」をももたらした神、それが、ディオニュソスです。


セメレーは、オリュンポス12神「ディオニュソス」の母という大きな意味を持っています。
なぜ、あのディオニュソスは、セメレーを母に持ちゼウスから産まれなければならなかったのか、その視点からセメレーを読み解いてみました。

*****

セメレーの父親は人間ですが、母方の親族には
祖母:愛欲の女神アフロディーテ *主に、生殖能力を促す愛欲
祖父:戦争の神アレス *主に、戦争の狂気の部分
叔父:敗北の神ポボス
叔父:恐怖の神デイモス
母:調和の女神ハルモニア※2
がいます。
セメレーは、単に美しい人間だっただけではなかったのです。

愛欲・戦争・敗北・恐怖、そして調和の要素を受け継ぎ、
天空(天界の莫大なエネルギー・恵みをもたらすもの・畏れ多いもの)と交わった結果
酒神ディオニュソスが産まれたというわけです。

天空神ゼウスと交わり酒神ディオニュソスをはらんだセメレーは、「生殖能力を促す愛欲」「狂気や激動の中から生み出される調和」
これらの要素を受け継いだ女性で、「自然のエネルギーと交わり豊穣をもたらす女神」の要素を強く持っています。

セメレーは後に、息子ディオニュソス神によって冥界から連れ戻されテュオーネーという女神になりました。


※2 セメレーは人間ですが、人間の王カドモスと調和の女神ハルモニアの娘です。(ハルモニアは女神なのですが、ゼウスの働きかけで人間の王に嫁ぎました。) 

ハルモニアは、愛欲の女神アフロディーテと、不倫の相手アレス(戦争の神)との間に産まれた娘です。アフロディーテは、ヘーパイストスという夫がいながらアレスと愛人関係となり、3人の子供をもうけます。敗北の神ポボス・恐怖の神デイモス、そして、調和の神ハルモニアです。

女神でありながら人間に嫁ぎ、嫁いだ先のデーバイは災難続き、子供や孫たちが散々な死に方をし、挙句の果ては夫カドモスとともに放浪の旅に出ます。最期は、夫婦ともに蛇となりました。(…死後は、ゼウスによってエーリュシオン(死後の楽園)に迎え入れられ、幸せに暮らしたと言います。)
複雑な出生、苦難続きの生活、「調和」の言葉が持つ優しいイメージからは、かけ離れた人生でした。
「ハーモニー」の語源となった女神ハルモニア。「調和」とは、両極に触れた激しい中から生み出されるものということなのでしょうか。


作品【セメレー】は、
ラズベリーカラーとゴールドの冴える
とても華やかなネックレス・イヤリング・ピアスです。

 

ネックレスのトップは、ラズベリーカラージェードの大振りモチーフにスワロフスキーエレメントで縁取りを施しました。動くたびに、クリスタルガラスがきらきらと輝きます。

左右のラズベリーカラーカルセドニーとラインストーンのチャームが、キラキラ揺れます。

お肌に馴染みやすいホワイトカラーの樹脂パール、水晶に金を蒸着させ輝きを増したシャンパンオーラクラッククォーツ、ラインストーン入りロンデルを、ふんだんに使ったネックレスです。

上品な華やかさを醸し出すネックレス
肌のお色を一段明るく若々しく照らしてくれるので、お顔を明るく、華やかに演出してくれます。

◆ネックレス
品番:SE-N
サイズ:長さ約37~41.5cm(アジャスタ使用)トップ約3cm(多少個体差あり)ラウンドカットのストーンは約6mm玉
素材:シャンパンオーラクラッククォーツ(金を蒸着させた水晶)・ラズベリーカラージェード・ラズベリーカラーカルセドニー・スワロフスキーエレメント・樹脂パール・ガラス・金属(真鍮)・テグス・樹脂
留め具はナスカン(カニカン)+アジャスタ ジュエリーボックス付き


イヤリング・ピアスは、ゴールドとラズベリーカラーの2色葡萄酒の神ディオニュソスの母を意識し、たわわに実る房をイメージ。ボリュームときらめきのある作品です。

ネックレスとセットでお使いいただくだけでなく、イヤリング・ピアス単体使いでも、女性らしく華やかに揺れるイヤリング・ピアスです。

◆イヤリング/ピアス 品番:SE-E/P-go/ra
サイズ:約3cm(イヤリング・ピアス金具含まず)ストーンのサイズ:トップ約8mmラウンドカット・他約6mmラウンドカット
素材:シャンパンオーラクラッククォーツ(金を蒸着させた水晶)/ラズベリーカラーカルセドニー・樹脂パール・金属(真鍮)・ガラス
イヤリングはネジバネ式・ピアスはフック式 ゴールドカラー/ラズベリーカラーの2色
*ピアス金具変更の際のご注意:ラインストーンはフックピアス金具に溶接されていますので、金具を変更すると、ラインストーンなしとなります。

【セメレー】が
あなたを一段と明るく若々しく
華やかに演出してくれるでしょう。


 

Gustave_Moreau(1826–1898)[Jupiter and Semele(ゼウスとセメレー)]

参考文献
高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店
高平鳴海&女神探求会『女神』新紀元社